【イベント開催レポート】日本橋三越本店で出版記念講座を開催
2026年10月25日(日)、東京・日本橋三越本店三越カルチャーサロンにて『グラスの中のイタリア:教養のワイン文化史』の出版を記念して、ワインの試飲を伴う講座を開催しました。

当日は開催20分前に急な雨に見舞われましたが、たくさんの方が足をお運びくださり、広々とした会場は熱気にあふれました。この日はじめて本を手に取られる方も多くいらっしゃり、そのページをたぐる高速音が「ワシャワシャワシャ・・・」と会場に響いたのに、とても驚きました。

ご参加のみなさまが、この本の内容そして講座のテーマに、とても熱心であることが音で伝わってきて、うれしくなりました。

この日は、ヴェネト州はコッリ・エウガネイ地方の大変古いワイナリーをご紹介しました。書籍の目次で言うところの、第6章『最後のヴェネツィア海軍提督のオレンジの花と過激なワイン』に登場する由緒あるワイナリーです。
本書の第6章は、1000年以上続いたヴェネツィア共和国が成立する初期の段階から建国に関わった一族の歴史のなかに登場する人びとを、ワインを通じて振り返るという構成になっています。
そのため、かつてコロナ禍でオンライン講座のために取材した「完成版」を、この日のためにインタビュー動画だけを抽出し、順番を並び替え、再構成し、なるべく本の物語の流れに沿って話を進める必要がありました。その過程で、私自身もたくさんの「気づき」や新たな発見がありました。「こういう意味だったのか」という具合に。
2時間という限られた時間では、すべてをうまく話すことはできませんでしたが、ヴェネツィア共和国の歴史は、知れば知るほど深い!
その数世紀にわたる一族の物語を、たった60分ほどで話切った、現当主のConte Emo Capodilista家のGiordano Emo Capodilista氏の話術は、今聞いてもすさまじいものがあります。また、明日もわからぬコロナ禍という特殊な状況下で切々と語ってくれた内容は、初めて観る人の心を打ちます。それを参加者のみなさまが目をきらきらさせながら聞いてくださったのが、とても印象的でした。
インタビュー映像をはさんで、以下のワインを試飲しながら平行して進めました。
(1)Colli Euganei Fior d'arancio D.O.C.G. Spumante
コッリ・エウガネイ・フィオル・ダランチョD.O.C.G. スプマンテ
(2)I.G.T. Raboso ラボーゾ
(3)Colli Euganei Fior d'arancio D.O.C. Passito コッリ・エウガネイ・フィオル・ダランチョ
D.O.C. パッシート(甘口ワイン)
いずれも、コッリ・エウガネイの丘陵地帯に特筆される火山性土壌の骨格のある酸とミネラルが通奏低音にある、優美さをたたえながらも、ある意味とても堅牢なワインです。
特に、参加者の方の反応が良かったのは(3)の甘口ワイン(といっても、実際には「甘さ」よりもバルサミコのような「複雑さ」や、「ドライな酸」と言うか、口の中をさっぱりさせてくれる、マルサラのような特性を持ったパッシートつまり陰干しした葡萄からつくられるワイン)に、チャンベッリーネ・アル・ヴィーノ(ビアンコ)を合わせる組み合わせ(アッビナメント)を実践しました。※このアッビナメントのいわれにご興味がある方は、本書をぜひお手に取ってお読みいただければ幸いです。ネタばれになってしまうので(笑)
対面でリアルで試飲を伴う講座をさせていただくのは、実にコロナ前の2019年から数えて7年ぶりとなりましたが、万事つつがなく、楽しく開催できたことに大きな喜びを感じました。また、この企画の実現に際して、実に多くの方のご協力を賜ったことにこの場をお借りして感謝申し上げます。





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