【後編】"イタリア料理"のユネスコ無形文化遺産登録をローマで取材しました!
- FUSAKO SAKURAI

- 1 日前
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(写真・文 櫻井芙紗子)
【ローマ:2025年12月10日】ついに、イタリア料理がユネスコ無形文化遺産に登録されました。今回、筆者はイタリア大使館貿易促進部(ICE-Agenzia)のご依頼により、10日の発表と、関連イベント取材のため、急遽ローマに向かいました。その現地の様子をレポートします。(前編はこちら)

コロッセオに、イタリア料理のユネスコ無形文化遺産登録を祝うインスタレーションが行われました。当初はジューリ文化大臣が出席するという情報のみ、事前に聞かされていたので、ピントを合わせようとファインダー越しに、メローニ首相の姿を見た時、筆者はとても驚き、そのまま夢中でシャッターを切りました。長い時間待っていたイタリアの報道陣にも、にわかに緊張が走り、さっきまでのリラックスモードとはがらりと変わっていました。

ローロブリジダ大臣が自らマイクで仕切り始めてメローニ首相を紹介し、セレモニーの司会進行までするのはちょっと驚きましたが、逆に形式にこだわらないところが「いかにもイタリアらしいなあ」と妙に感心してしまいました。それだけに御三人がこのプロジェクトにかけてきた思いが伝わってきました。
メローニ首相はこの場でのスピーチはありませんでしたが、同日のイタリア国民に向けたビデオレターのなかで「イタリア料理は単なる食べ物、レシピではありません。それは文化、伝統、労働、そして豊かさです。農業の品質と持続可能性と結びついています。何千年もの間、世代から世代に受け継がれてきたもの」だと語っておられます。

コロッセオの点灯式と、そのあとエンニオ・モリコーネ音楽公園での記念コンサートの様子をまとめた動画を作成しました。(↓動画をクリックしてご視聴ください)
コロッセオのあるカピトリーノ丘とクイリナーレ丘の谷間から、北へバスで移動することおよそ20分。古代はマルスの野と呼ばれていたであろう場所に、エンニオ・モリコーネ音楽公園はあります。ここは非常に大きな音楽複合施設です。あの有名な建築家レンゾ・ピアノの設計です。カヴェアと呼ばれる野外劇場や、楽器の博物館などもあります。
ここを拠点とするのは、1585年創立の名門で国立音楽大学のアカデミア・ナツィオナーレ・ディ・サンタ・チェチリア(Accademia Nazionale di Santa Cecilia)です。大学生とはとても思えないほどレベルの高い演奏で、さすが音楽の国イタリアにいることを実感させてもらいました。
またこの日のコンサートは、ガスと電気のエネル社の協賛で、冒頭に往年の人気歌手アル・バーノと子供たちのテーマ音楽の合唱に始まり、イタリアのオペラ(ヴェルディ『椿姫』の乾杯の歌、プッチーニなどイタリア作家の曲から、果てはクリスマスにちなんでゴスペルまで、夜遅くまで盛り沢山の約3時間となりました。
この日は式典とコンサートのみでガラ・ディナーやパーティーなどの食事会などはありませんでしたが、これから数年かけてさまざまな催しが手を変え品を変え、イタリア全土で展開されていくことでしょう。これからがますます楽しみです!(FINE)




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